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ソーシャルレンディングとは?リスクや危険性、投資信託との比較

「ソーシャルレンディングって何?」
「リスクや危険性は?」
「投資信託など他の投資と比較した場合のメリット・デメリットは?」
ソーシャルレンディングについては、広告などでよく見るから言葉だけは知っている、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ソーシャルレンディングの特徴とメリット、リスクとデメリット、さらに投資信託との比較について解説いたします。

ソーシャルレンディングとは?


最初に、ソーシャルレンディングとは何なのか、およびソーシャルレンディングのメリットをみていきましょう。

ソーシャルレンディングの仕組み

ソーシャルレンディングとは「借手と貸手をマッチングするサービス」です。ソーシャルレンディングの運営会社は資産運用したい人からお金を集め、企業に融資を行います。企業は、融資を受けたお金を元手に事業を行い、借りたお金に利息を付けて返済します。企業が返済した元本と利息から運営会社が手数料や源泉税を控除した額を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングでお金を借りるのは、事業の安定性や収益性はあるものの、

・創業年数が浅いため銀行の融資対象にならない
・小額の融資を希望しているため銀行が消極的

などの理由で銀行からの融資が受けられない企業です。融資先企業の安全性は、ソーシャルレンディング運営会社が、

・決算書・事業計画書・資金繰り表の確認
・担保や保証の有無の確認
・指定信用情報機構へのデータ照会
・経営者との面談

などによる審査を行い確認します。

ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。

ソーシャルレンディングのメリット

ソーシャルレンディングには次のようなメリットがあります。

《 メリット1 》 少額・短期での資産運用ができる

ソーシャルレンディングは、金額は1万円から、期間は3ヶ月からなど、少額・短期での資産運用が可能です。どんな人でもすぐに始められる資産運用方法だといえるでしょう。

《 メリット2 》 利回りは年利3~10%程度

ソーシャルレンディングでは3~10%程度の利回りを期待することができます。銀行の定期預金や国債などと比較してはるかに高利回りとなっています。

《 メリット3 》 価格変動がないので管理の手間がかからない

ソーシャルレンディングは価格変動がありません。したがって、投資を行ってしまえば満期になるまですることは何もなく、管理の手間がかかりません。

ソーシャルレンディングのリスク・デメリット

ソーシャルレンディングには多くのメリットがありますが、当然リスクおよびデメリットもあります。

《 デメリット1 》 ソーシャルレンディングには貸し倒れリスクがある

ソーシャルレンディングでは、融資を受けた企業が倒産する貸し倒れリスクがあります。貸し倒れが起きれば、出したお金の一部または全額が返済されないことになり、投資家が損失を負うことになります。

ソーシャルレンディングは銀行の定期預金や国債などとは異なり、元本が保証されていません。したがって、貸し倒れは一定の確率で起こると考えなくてはなりません。

貸し倒れリスクを防ぐためには、

・分散投資を行う
・貸し倒れリスクを見極める

などのことが必要となるでしょう。

《 デメリット2 》 満期まで解約ができない場合が多い

ソーシャルレンディングは基本的に購入すると満期を迎えるまで解約することができません。投資したお金は企業に融資されるため、企業がお金を返済するまでは投資家へ分配することができないからです。

何かの事情で急にお金が必要となった場合でも、ソーシャルレンディングに投資したお金は途中で引き上げることができない可能性があるため、ソーシャルレンディングへの投資は、生活資金ではなく余剰資金を充てることが重要です。

しかし、このことは逆に「メリット」と捉えることもできます。株式投資などのように毎日の価格変動を気にする必要がないため、じっくりと腰を落ち着けて投資を行うことができるからです。

《 デメリット3 》 融資先企業の詳細がわからない

ソーシャルレンディングでは、法律の規定上、融資先企業の詳細な情報を投資家が知ることができません。したがって、ソーシャルレンディングの案件情報では、融資先企業については概要程度のことしかわかりません。

投資家にとってみれば、融資先企業のことが詳しくわからないのは不安が大きいため、ソーシャルレンディングを行う際には、運営会社の信頼性をしっかりと見極めることが大切です。

ソーシャルレンディングと投資信託との比較


ソーシャルレンディングと同様に、少額から始めることができるものとして投資信託があります。ここでは、ソーシャルレンディングと投資信託を比較してみましょう。

《 比較1 》 流動性があるかないか

ソーシャルレンディングは価格変動がないため管理に手間がいらないかわりに、基本的に満期までは解約することができませんので、資金の流動性がありません。それに対して投資信託では価格は日々変動しますが、「危ない」と思った場合には売却することが可能です。

ソーシャルレンディングでは、仮に融資先企業の経営状況が悪くても、途中で解約することができません。このことは、ソーシャルレンディングのデメリットの1つと捉えることもできるでしょう。

《 比較2 》 期限があるかないか

投資信託には償還日が定められているものと無期限のものがあります。無期限の投資信託は長期で持ち続けることができるため、長期的に運用し、利益が出たタイミングで売却することができます。

それに対してソーシャルレンディングは、期間が過ぎると自動的に運用が終了します。長期での運用を考えている方には無期限の投資信託がオススメです。

まとめ

借手と貸手をマッチングするサービスであるソーシャルレンディングは、少額・短期の投資を3~10%程度の利回りで、管理の手間をかけずに行うことができます。ただし、貸し倒れリスクがありますので注意しましょう。

投資信託と比較して、満期までは管理の手間がかからないことがメリットですが、途中で解約することができないこと、投資信託に比べて長期間運用することができないことがデメリットです。
ソーシャルレンディングの性質をよく理解して、確実な投資を行いましょう。