資産運用

銀行での資産運用ってどうなの?メリットとデメリットを比較

近年インターネットバンキングがずいぶん普及してきましたが、それでも店舗のある銀行を利用している人も多いかと思います。「振込をしに銀行へ行ったら、資産運用をすすめられて検討している」「記帳しに行ったら、投資信託や保険のパンフレットがあり興味をもった」そんな人も少なくないでしょう。銀行での資産運用を考えている人のために、メリットと注意点をご紹介します。

銀行で資産運用ってできるの?


銀行といえば預金と貸出し業務がメインと思っている人も多いかもしれません。しかし近年は、投資信託やiDeCo、NISA……と資産運用への対応が広がっています。

銀行での資産運用で準備すべきこと

銀行で資産運用を始めるにあたり、事前に準備することはほぼありません。銀行口座がなければ口座開設の手続きが必要ですが、通常はわざわざ新規開設せず、すでに利用している銀行で運用する方がほとんどでしょう。実店舗のある銀行でも、インターネットバンキングへの登録が済んでいれば、インターネットで資産運用をスタートすることができます。もちろん、店舗に直接申し込みに行っても大丈夫です。

ただし、すべての資産運用がインターネットバンキングで手続きできるわけではありません。例えばiDeCo(個人型確定拠出年金)はウェブサイトから申込書類を作成し、郵送で書類を提出する必要があります。

また、店舗でのみ契約できる金融商品もあります。投資信託の購入はインターネットバンキングでできる銀行が多いですが、包括的に資産を運用するファンドラップや保険などは、窓口のみの取り扱いがほとんどだと考えてください。

銀行で資産運用をするメリット


街中に店舗をもつ銀行での資産運用なら対面相談ができます。直接質問でき、その場で疑問を解消できるのは大きなメリットです。

また、対応力の幅広さは銀行の大きな強みです。個別に金融商品を購入するにとどまらず、資産全体の相談をすることができます。例えば資産運用を専門家に包括的に一任できるファンドラップでは、個々の投資方針に沿った運用を行ってくれます。

銀行は、生命保険や個人年金保険などを取り扱っている点もポイントです。「資産運用に興味はあるけれどリスクはあまり負いたくない……」そんな時には将来の受取額が決まっている生命保険を活用する手もあるからです。銀行なら投資と保険についてその場で比較することができます。

銀行ならお金の相談はオールマイティ

貸出し業務は銀行の本業ですので、当然住宅ローンを取り扱っています。また、教育ローンや多目的ローンなどもあります。お金を借りる時は返済能力も加味しないといけないため実際に融資を受けられるかは別の問題ですが、人生のさまざまなシーンでお金の相談ができるのは魅力の一つでしょう。
さらに銀行なら、遺言信託や相続手続き代行など、没後の資産管理まで対応可能です。例えば「子供のいない夫婦で、特にお世話になった人に財産を受け取ってほしい」、「財産を法定相続分とは違った配分で遺したい」……そんな場合に利用メリットがあります。

こうしてみると、銀行はお金にまつわることはすべて対応できるように感じます。ワンストップでサービスを受けたい人には銀行が向いていそうです。

銀行で資産運用をするデメリット


幅広い業務を行う銀行ですが、注意したいのは運用商品の手数料です。実は銀行は、資産運用にかかる手数料が高い傾向にあります。窓口業務における人件費や実店舗の賃料などのコストも手数料が高い理由の一つでしょう。高コストでも、その分対面相談ができるからいい、と考えるならデメリットとはいえません。なにを重視するのかよく考えて結論を出すようにしましょう。

また、資産運用の商品数が少ないことも知っておきましょう。銀行における一般的な運用商品である投資信託の商品数は証券会社と比較すると少なくなります。証券会社では取り扱っている株式投資やFXなども、銀行で直接投資することはできません。
さらに、手数料が高ければ運用効率は悪くなります。

銀行は行う業務が幅広い分、「浅く広く」になりやすいようです。手数料などのコスト面でも、専門的な対応というクオリティ面でも保険は保険会社へ、相続は弁護士へ……と個別の専門家に相談する方が満足度は高いかもしれません。

近年の銀行業務は

銀行で資産運用するなら、金融業界を取り巻く環境も知っておきましょう。ここ数年、住宅ローンは低金利化が進み銀行は利益を得にくくなっています。融資も、ネットを介して資金提供者を募るクラウドファンディングが台頭してきています。また、銀行口座不要で送金できる個人間送金ができるサービスも登場しています。

さらにキャッシュレス化の波で、ATM手数料による収益モデルも陰りが出ており、銀行の経営は決して安泰ではありません。その中で金融商品の販売手数料は重要な収益源とされています。銀行を取り巻く状況が苦しい中、窓口でニーズに合わない運用商品をすすめられる可能性もないとはいえません。すすめられた金融商品が自分にとって適切かどうかを、しっかり見極めなければなりませんね。

まとめ

目的が投資であり、収益を上げることが最優先なら、銀行での資産運用は手数料や商品数の面で注意点も多いかもしれません。しかし銀行には保険やローンなど幅広く資産を相談できるメリットがあります。投資以外のサービスも含めて銀行を活用するメリット・デメリットを判断するといいのではないでしょうか。