投資

好リターンを目指す!分散投資のすすめ

投資のリスクをできる限り低減し安定したリターンを得るためには「分散投資」がおすすめです。分散投資は、金融資産の種類や地域、および時間を分散させることにより、価格変動による投資のリスクを分散し、好リターンをめざすための方法です。

この記事では、分散投資とは何か、分散投資のメリットとデメリット、分散投資の方法、および分散投資のポートフォリオの考え方について紹介します。

分散投資とは?

分散投資とは、投資先を1つに限定せず複数の資産に分散することにより、価格変動による投資のリスクを低減し、好リターンをめざすための方法です。

投資には一般に次のようなリスクがあります。

株価変動リスク

株式の価格が上がったり下がったりするリスクです。株価の変動は、株式を発行している企業の業績に関係するのはもちろんですが、そのほかにも景気や経済の動向、政治状況など様々な要因によって起こります。

信用リスク

株式や国債、債券などを発行している企業や国が、経営不振や財政難を理由として預かっていたお金を返せなくなるリスクです。

金利変動リスク

金利の変動により債券の価格が上下するリスクです。一般に、金利が上昇すると債券の価格は下落し、反対に金利が低下すると債券価格は上昇するといわれます。

為替変動リスク

為替相場の動きにより、外貨建て金融商品の円換算での価格が変動するリスクです。例えば、ドル建ての金融商品は、為替相場が円高・ドル安に動いたときには円換算での価値が減少することになります。

もしすべての資金を1つの金融資産に集中させた場合には、その資産の価格が下落すれば運用資産全体がマイナスの影響を受けることになります。それに対し、価格が異なった変動の仕方をする複数の資産に分散して投資をすれば、投資のリスクが分散されて安定した収益を得られることが期待できます。

分散投資は、「すべての卵を1つのカゴに入れてはいけない(Don’t put all your eggs in one basket)」という言葉で表現されます。すべての卵を入れたカゴを落としてしまえば卵はすべて割れますが、卵を複数のカゴに分けて入れれば、仮にそのうちの1つを落としても残りのカゴに入れた卵は無事であるというわけです。

分散投資のメリットとデメリット

それでは、分散投資のメリットとデメリットがどのようなものなのかをみていきましょう。

分散投資のメリット

メリット1:投資のリスクを分散することができる
投資のリスクを分散し、安定した収益を得られるようになることが分散投資の第一のメリットです。ある時期に「優良だ」といわれた企業も、それが未来永劫続くわけではありません。仮に保有している企業の株価が大きく下落した場合でも、分散投資をしていれば、悪影響が全資産に及ぶことを防げます。

メリット2:相場全体の値動きを考えなくて済む
金融資産は、価格が安いときに購入し高くなったら売却すれば利益が出ます。投資は一般に値動きのタイミングを見計らうことが必要となりますが、後で紹介するように、分散投資で時間を分散することにより相場全体の値動きを考えなくて済むようになります。

分散投資のデメリット

デメリット1:資産を大きく増やすことができない
分散投資はリスクが分散されて低くなる一方で、リターンもそれほど高くなりません。例えば、保有しているある金融資産の価格が10倍になったとしても、それが分散投資により全資産の一部なら、良い影響も全資産には及びません。

デメリット2:投資の管理に手間がかかる
分散投資は複数の金融資産に投資をします。そのために、単一や少数の資産に投資するのと比較して、投資の管理に手間がかかります。

分散投資の方法


投資のリスクを分散させることにより安定的な収益が得られるようになる分散投資を、具体的にどのような方法で行えばいいのかをみていきましょう。

方法1:資産や銘柄を分散させる

分散投資の方法の第一は、資産や銘柄を分散させることです。金融資産には国債や債券、株式など多くのものがあり、それぞれの資産には、さらに多くの銘柄があります。

例えば、一般に、株式と債券は経済の動向に応じて異なる値動きをすることが多いといわれます。株式が値上がりするときは、債券は反対に値下がりすることが多くなります。このように異なった値動きをする金融資産を組み合わせれば、ある資産が値下がりしても別の資産の値上がりでカバーでき、価格変動リスクを軽減することができます。

方法2:地域を分散させる

金融資産の地域を分散させることも分散投資の方法です。金融資産が存在する地域は日本に限らず、世界中にあります。金融資産は、存在する国や地域の状況や為替変動などにより異なった値動きをすることが一般的です。

「国内」と「国外」、「先進国」と「新興国」などのように異なる地域に分散投資を行えば、ある資産がその国や地域の状況によって値下がりしても、異なる地域の資産の値上がりによりカバーされることが期待できます。

方法3:時間を分散させる

分散投資の方法には、「ドル・コスト平均法」により時間を分散させることもあります。ドル・コスト平均法は、積立投資信託のように定期的に定額を投資することにより行います。

定額・定期で投資をすれば結果として金融資産を、単価が安いときには多く購入し、単価が高いときには少なく購入することになります。したがって、価格が高いときに投資した資産の値下がり分が、価格が安いときに買った資産の値上がり分でカバーされることが期待できます。

一般に投資は、資産を安く購入し高く売れば利益が出ます。しかし、資産の値動きのタイミングを見計らうことは容易ではありません。

単価が安いときに資産を多く購入するドル・コスト平均法を用いれば、資産の購入単価の平均を低くすることができ、その分利益が出やすくなります。相場全体の値動きを全く考えることなしに、定額で定期の投資を行うだけで、資産の平均購入単価を自動的に低くできるのがドル・コスト平均法のメリットです。

分散投資のポートフォリオの考え方


分散投資を行う際には、どの金融資産を全体の何%保有するかの配分を決めなければなりません。分散投資における金融資産の配分は「ポートフォリオ」と呼ばれます。

一般的なポートフォリオの考え方は、まず資産の分散として「株式」と「債券」の2つを選び、次に地域の分散としてそれぞれ「国内」と「外国」を選びます。すなわち、分散投資の投資先として、

・国内株式
・外国株式
・日本債券
・外国債券

の4つが選ばれることになります。それぞれを25%ずつ等分に保有するのも選択肢の1つですが、債券と比べて株式はハイリスク・ハイリターンとなりますので、リスクをとってもリターンを求めるなら株式を多めに購入することになります。逆に、リターンが小さめでもリスクを低く抑えたければ、債券を多めに購入します。

このポートフォリオは1つの例です。投資先として株式や債券以外の、例えば太陽光発電ファンドなどを選ぶのも収益を安定させることにつながるでしょう。

まとめ

分散投資は、投資のリスクを分散させることにより低減し、安定したリターンを得ることをめざすための方法です。資産を大きく増やすことはできませんが、投資を確実に行いたい人にはおすすめです。

分散投資の方法は、資産の種類と地域、および時間を分散させます。分散投資のポートフォリオの考え方は、株式と債券をそれぞれ国内・国外で保有することが一般的ですが、具体的にどのような資産をどのような配分で保有するかは様々な選択肢があるでしょう。